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はじめに
SNSやニュースで「致死率が高いウイルス」「海外で流行中」といった言葉を目にすると、不安を感じる人も多いでしょう。しかし、致死率が高いことと、日本で流行することは同義ではありません。
本記事では、日本では定着していないものの、海外で警戒されている感染症について、誇張なく・正確に解説します。
「怖い感染症」が日本に来ていない理由
最初に結論を示します。
日本で広がらない感染症には、共通した特徴がある。
- 空気感染しない
- 感染経路が限定的
- 自然宿主や媒介動物が日本にいない
- 医療・検疫体制で封じ込め可能
この前提を押さえたうえで、具体例を見ていきましょう。
① エボラ出血熱
致死率:25〜90%
エボラ出血熱は、アフリカで繰り返し発生している非常に致死率の高い感染症です。
特徴
- 体液接触で感染
- 発熱・下痢・出血症状
- 重症化が非常に早い
なぜ日本で流行しないのか
- 空気感染しない
- 日常接触では感染しない
- 医療従事者・家族など濃厚接触者に限定
👉 名前は有名ですが、日本で市中感染が起こる可能性は極めて低い感染症です。
② ニパウイルス感染症
致死率:40〜75%
近年インドなどで報道されることが増えた感染症です。
特徴
- 自然宿主はフルーツバット(コウモリ)
- 脳炎を起こす
- ワクチン・特効薬なし
感染経路
- コウモリに汚染された果物や樹液
- 濃厚な人‐人接触
日本で広がらない理由
- 日本に自然宿主がほぼ存在しない
- 空気感染しない
- 流行地域が限定的
👉 致死率は高いが、感染力は低い典型例です。
③ マールブルグ病
致死率:24〜88%
エボラと同じ系統のウイルスで、出血熱を起こします。
特徴
- コウモリ由来
- 急激な発症
- 医療従事者感染が中心
日本に入らない理由
- 感染経路が極端に限定
- 潜伏期間中に検疫で把握可能
- 国内に宿主がいない
④ 鳥インフルエンザ(H5N1)
ヒト致死率:50〜60%
鳥から人に感染する特殊なインフルエンザです。
重要ポイント
- 人への感染は非常にまれ
- 人から人への持続的感染は起きていない
日本でパンデミックにならない理由
- 感染経路が鳥に限定
- 市中感染が成立しない
👉 WHOが警戒するのは「将来の変異」であり、現時点での社会流行ではありません。
⑤ MERS
致死率:約35%
中東呼吸器症候群(MERS)は中東地域を中心に発生しています。
特徴
- ヒトコブラクダ由来
- 院内感染が中心
日本で広がらない理由
- 日常生活で感染しない
- 市中感染が成立しにくい
共通点から見える「本当の危険度」
| 観点 | 高致死率ウイルス | 日本で流行しやすい感染症 |
|---|---|---|
| 致死率 | 非常に高い | 低〜中 |
| 感染力 | 低い | 高い |
| 空気感染 | しない | する |
| 軽症者 | 少ない | 多い |
| 社会拡散 | 起きにくい | 起きやすい |
👉 **本当に社会を揺るがすのは「軽症でも動き回れる感染症」**です。
よくある誤解
- ❌ 致死率が高い=日本で危険
- ❌ 海外流行=国内流行確定
- ❌ 新型コロナ以上の脅威
これらは事実ではありません。




